自己紹介

松村真宏,准教授,博士(工学)
〒560-0043 大阪府豊中市待兼山町1-7
大阪大学大学院経済学研究科本館356号室
(アクセスマップ,豊中キャンパスマップ)
1975年大阪生まれ.東京に4年,イリノイに半年住んだことがあります.趣味は軽い運動と映画・お笑い番組を観ることです.影響力の研究をしています.
研究テーマ
松村研究室では,人々の言動や社会現象の分析とモデル化を通して「影響力」のメカニズムを明らかにすることに取り組んでいます.
人々の言動や社会現象の背後には,何かしらの因果関係が存在しています.その因果関係を数理的/認知的アプローチから分析することで,「影響力」の正体に迫ろうとしています.
数理的アプローチとしては,データマイニング,テキストマイニング,機械学習,統計解析といった手法を駆使して対象をモデル化し,そのモデルを使って将来の動向を予測したり,諸問題を科学的に解決することを目指しています.
これまで,組織運営のメーリングリストから人間関係やリーダーシップの構造を解明したり,電子掲示板,ブログ,SNS,twitterなどからクチコミやコミュニケーションのメカニズムを解明してきました.例えば,メッセージ間を伝播する語に着目することで話題のトリガーとなる語や人間関係を明らかにしたり,メッセージの背後に潜む「問い」とその「焦点」に着目することで人々の要望や問題意識を明らかにしてきました.また,2ちゃんねるにおける盛り上がりのダイナミズムを共分散構造モデルによって表すことで,アスキーアートや2ちゃんねる語などの定型的表現傾向が議論発散傾向と議論深化傾向に及ぼす関係などを明らかにしてきました.
一方,認知的アプローチとしては,形跡調査や行動観察によって人々の行動を分析し,意識や行動の変化を起こす「仕掛け」のメカニズムを明らかにしたり,体系化することを目指しています.
この世界は,見えているのに見ていない,聞こえているのに聞いていないことに溢れていますが,ちょっとした仕掛けによって,それらへの気づきを促すことが可能になります.例えば,天王寺動物園には下のような筒が何の説明もなく置かれています.この前を通りかかった子供を観察していると,ほとんどの子供はこの装置に興味を示し,そっとのぞき込んだ先に見える***(秘密.気になる人は天王寺動物園に行ってみてください)を発見して楽しんでいる様子を見ることができます.
これまで,カフェのらくがき帳や交流スペースに設置した巨大ならくがきマップなどを対象として,仕掛けの効果を分析してきました.石橋商店街と共同で開催しているゑびす男選び@阪大坂もその一貫として行っています.
このような「仕掛け」の事例は世の中に溢れています.例えば,オランダのスキポール空港では,男性用の小便器に小さなハエ(エイミング・フライ)を描くことによって人々がそこに狙いを定めるようになり、結果として飛散が大幅に減少し清掃回数が減少しました.また,ペットボトル回収ボックスにキャップ用の小さな穴を設けることでキャップを外す行為を促し,分別回収が容易になっただけでなく,ペットボトルを圧縮できるようになったので回収効率が高くなりました.街路にイメージバンプ(色や素材を変えることで段差があるように見せた模様)を描くことにより視覚的に運転者の注意を喚起し,車両速度が減速しました.このような事例も含めて「仕掛け」を体系化することを目指しています.
このように,人々の言動や社会現象を対象として,定量的・定性的に分析するための方法論を開発したり,分析して得られた知見から社会現象を読み解いたり,実社会に役立てることで,「影響力」のメカニズムを様々な切り口から明らかにすることに取り組んでいます.